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■スペーサー
サブタイトル「ロイド・THX・シアター製作エピソード!」

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    ■ プロローグ

最初に"Loyd"は私の造語で、"Living out your dream"(夢を実現する)の頭文字を充てたものです。
そして"THX THEATER"は、ルーカス・フィルム社の映画館の標準規格のことです。詳しくはここをご覧ください

この夢のTHX・シアター・ルームを構築するにあたり、"24-hour whenever OK"という時間に制約されないシアターであることを前提として、次の条件を満たすものとしました。
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 ● 高精細でフィルムの質感が得られるスクリーンの選択
 ● セリフは明瞭に、効果音もリアルで、余裕タップリに浪々と鳴り響くスピーカーとアンプの選択
 ● 可能な限りの防音、遮音

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これらの条件をクリアーするために、シアター内の吸音、周波数の干渉と定在波、窓側の音波伝搬、残響時間、窓の遮光カーテン、照明(アンビエント・コントローラー)、空調や換気、鑑賞シート、ソフト収納室等々の結論を得るまでに数年を費やしました。
勿論、完璧なシアターを構築することは極めて困難なことで、精神的にも経済的にもある程度容認されるものという考えで着手したのが平成3年でした。

    ■ シアター・ルームの容積について

収納棚
部屋はなるべく大きくと計画しましたが、総体的に判断の結果、5m×6m、(約9坪)で、天井の高さは、床を30cm下げて3mを確保し、ハリウッド・スタイルとしましたが、スクリーンの背面にスピーカーを設置したために約1m、更にソフトの収納室に約1m等々とスペースが削られ、思っていた以上に狭いものになってしまいました。

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    ■ 隣室との防音遮音について

隣室と繋がるシアター・ルームの出入り口は、本来なら2重ドアー方式が望ましいのですが、スペースの関係によりピアノ教室等に使われる硬質の1枚ドアーとしましたが、十分な遮音効果は得られませんが大きな迷惑にはならないようで安心しました。

    ■ 壁面、天井、床、基礎等について

床と配線工事 定在波の問題等から波を打たせた工法でフェルト状の吸音クロスを使用、天井は一般的なダーク調のクロスまたデットになり過ぎないように、床はスピーカー面から縦に無垢のフローリングを使いましたが、シアター・ルームの基礎は、全面30センチ厚のコンクリートを打設しました。

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    ■ スピーカーの背面の壁について

壁工事のようす 当初板張りで考えていましたが、隣室がキッチンなので極力遮音を考慮し、音波によって振動しにくい重いがっしりした壁にする事で入射音エネルギーの大部分が入射側へ反射するので遮音に効果的であり壁の質量を増やしタイル貼りとしました。

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    ■ プロジェクターの選択について

プロジェクター フィルムの質感を再現する方式としてのプロジェクターの選択は、最も優れた評判の"Barco"製など検討しましたが、三菱、NEC、ソニーなどの専門店の店頭で何度も比較鑑賞し、メーカー直接資料を取り寄せ検討しました。
当時、液晶タイプが発売間もない頃でありましたが、液晶タイプは取り扱いや調整等が簡単で使い勝手はよかったもの、画面にブロックが目立ちとても選択肢に入る代物ではありませんでした。
大きな画面で高精細な画質と、諧調や色再現などや映画フィルムのリプレイを考慮し、ソニーのハイヴィジョン対応の「3管式マルチ・スキャン・プロジェクター」に決定しました。
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    ■ ラインダブラーについて

ここで気になるのが、走査線525本の映像でテレビでは問題にならなくてもこのままの映像を120インチスクリーンに投射したらどうなるかと言うとスクリーンに映し出された美女の顔は"スライス"された映像となって、とても鑑賞に堪えるものではありません。
この課題を解決するには、ラスター(走査線)の間に更にラスターを入れて画像の倍密度をはかる"ラインダブラー"の機能をもった機器が必要ということになりました。
ラインダブラーとは、映像のコンポジット信号を水平倍速ノンインタレース及び標準インターレースのRGB信号に変換するデコーダで、難点はフォーカスが若干甘くなるようで、勿論これらを解決したハイクラス機もあるようです。

    ■ スクリーンの選択とサイズについて

映画館方式であるスクリーンのバックにスピーカーを設置し、スクリーンを通してサウンドをリスナーに伝える同様の方式にして、映画(音声)再生にこだわり、スクリーンは、スチュワート社の"Sound Screen"にしました。
但し、問題が一つあって、穴明きスクリーンのためにプロジェクターから投射された"light waves"がスクリーンの穴を抜けスピーカーに反射するために、スクリーンとスピーカーに間に薄手の遮光カーテンを設置し、鑑賞時にかなり気になっていた問題がこのカーテンを取り付けて解消しました。
このサウンド・スクリーンの音響特性である周波数特性は、10〜12kHz辺りから下がりはじめ15kHzでは-12dB位になるとのデータがありますが、実際の補正値は4〜6dBで十分カバーされるようで、むしろ高域を若干絞った方が耳に馴染むようです。
部屋の音響特性にもよりますがこの補正は、トウィターやスーパー・トウィターをイコライゼーションすれば可能であり、マルチ・アンプ・システムでドライブする方式では「フレケンシー・デバイディング・ネットワーク」か、また各アンプのボリューム調整で簡単に補正が出来ます。
スクリーンのサイズを決めるには、かなり悩み、スクリーンは大きいほど感動も倍加し、出来るだけ大きくと150インチを考えましたが、部屋の前後で2m狭まりプロジェクターとスクリーンとの投射距離の関係でやむなく120インチに落ち着きましたが、アスペクト比の問題では更に悩み、結局3:4タイプに決定し、鑑賞映画にクラシック作品が多いのでこのチョイスはグット・アンサーでした

    ■ スピーカーの設置について

映画サウンドの効果的再生に於いて、スクリーン両脇に設置されたスピーカーの左右の距離とセンター・チャンネルが理想的に設置出来る為にセリフ(ダイアローグ)も明瞭でインテリアからもスピーカーが隠せるという課題もクリアーできました。
また、壁面の材料、工法、部屋の形状等や「ウーファー」の設置場所と部屋の音響特性等の相違により超低音70Hz以下が不足しがちとなるため、映画音響リプレイに必須条件の「超低域再生用ウーファー」には、「トリプル・チャンバー・バンドパス方式」のエンクロジャーを採用した「ウーファー」を正面に設置しました。

    ■ サウンド・スピーカーについて

THX Screen Speakerとしてアメリカで承認されているシステムの「JBL4675A」を最終的に決定しました。JBLは、映画草創期から映画館用スピーカーシステムの開発に携わり、"THX Theater"でも厳しい条件をクリアーし、THX 承認スピーカー・システム・メーカーとして映画音響をリードしています。
「JBL4675A」システムは、耐入力や、高音質、パワー・リニアリティに優れ、周波数帯域がワイドで、ダイナミック、ナチュラルな帯域バランスで中高音は力強く、セリフは明瞭そのもの、効果音は実にリアリティ、これがシアター・サウンドだ!と納得出来ます。

    ■ マルチ・アンプ・システムについて

「フレケンシー・デバイディング・ネットワーク」と「パワー・アンプ」組み合わせた「マルチ・チャンネル方式」は、スピーカーの能力を存分に発揮させることが可能なことから"3way"としました。 「左右のスピーカーの上段のスコーカー」(周波数帯域幅"500Hz〜16kHz"の中・高音域)を「中高音域用パワー・アンプ」、「左右下段のスピーカーのダブルウーファー」(周波数帯域幅は"30Hz〜2.5kHz"の低音域)を「低音域用パワー・アンプ」でそれぞれドライブし、「センタースピーカー」は、"LCネットワーク"を使い「パワー・アンプ」 をブリッジ接続しています。
スクリーン正面下段にある「超低域用のスーパー・ウーファー」(70Hz以下の超低域)は、「超低域用パワー・アンプ」をブリッジ接続しています。
マルチ・アンプ・システムは、自分の好みのサウンド・フィーリングが可能で音の拡がりや定位が良く、音楽の情報量が増え質感に優れたグレイドの高いサウンドが得られます。

    ■ サラウンドスピーカーの設置について

リスナーの真横に約フロアーより2メートルの高さに天井より金具を使って取り付けました。
更に、裏面に追加設置し、必要に応じ切り替え、「SP端子が4系統のパワー・アンプ」に接続しています。

    ■ 後日談

LDソフト・ソフト収納室最近はDVDが主流となってきましたが、主なリプレイ・ソースは、LDが多く1994年にリリースされた"THX-Dolby Surround AC-3 Digital"仕様の「今そこにある危機」(Clear and Present Danger)などは、5チャンネル・リプレイで臨場感溢れるクリアーなサウンド、映像もマスターテープを使ったオリジナル映像に迫る高画質!その後、待望の"Same Specification"「南太平洋」(South Pacific)、オクラホマ!(Oklahoma!)、回転木馬(Carousel)、サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music)、王様と私(The King and I)、ザッツ・エンターテインメント!(That's Entertainment!)などがリリースされ懐かしいシーンを何度もリプレイしてはエンジョイ!
すぐれたエンターテナーの唄や踊りのミュージカル映画は、観るたびに感激し飽きないものです。また、絢爛華麗でもっとも華やかな歴史に彩られた"オペラ"の上演を特等席で堪能!まさに至福のひとときです。でも、これから造ろうとすれば、やっぱりスクリーンはもっともっと大きくしたいと思っていますね。

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